川柳
【川柳】水星線に誓う折れない声で
小さい頃から水のある場所が好き。
釣りが好きだった父は岡山の海、瀬戸内海によく連れて行ってくれた。
ゴムボートで沖まで漕いでいって釣り糸を垂れ、大きなタコが釣れた時は「あこはすごいぞ」と褒めてくれた。
海は私にとって特別な場所。大人になってからのたくさんの想い出も波の音の聞こえる場所にある。
大きな声で笑いあった。なのに、ひとりっきりで声にならない声で泣いた。
もう何年も経って、同じ海に向かっている。懐かしい香りが満ちる。
今はカウントダウンとなった時間の中でひとり「わたし」と向かい合っている。
『水平線に誓う折れない声で』
桂 晶月
川柳文学コロキュウム 2018.1 78号
フィッシュアイより
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