家族なら、夫婦なら、一緒にいることが幸せ? 常識という重石からの解放を
風水の仕事は家を基盤とした「生きやすい」時間の提供だと思う。
土地購入、リフォーム時の風水提案を求められる機会が増えてきて、つくづく空間を造ることのニーズの多様性、家や家族に対する価値観の違いを痛感している。
先日から風水ブログの方で「50代からのリメイクライフ風水」という連載を始めたけれど、50代は家族との関係を改めて考える年代だと思う。
家と聞くと家族が笑顔で過ごしているイメージが植え付けられているけれど、決してすべての人がそうでないことも覚えておかなければならない。
人はリセットできる空間が必要なので、家は落ち着いて安心して過ごせる場所であってほしいけれど、「帰りたくない」「家族に会いたくない」「ひとりにしておいてほしい」 このように思っている人もいるのは事実。
幸せ、笑顔、元気、このイメージはどこかで誰かにしんどい思いをさせているかもしれない。
これは一例。
・リビングで家族がずっと一緒ににぎやかに過ごしていたいと思った。だから階段はリビングに付けたけれどずっと監視されているような気になる。
・夫婦のベッドが入るように寝室を作ったけれど、寝る時ぐらい一人でいたい。
・家族みんなで楽しみたくて大画面テレビをリビングに置いた。夫はいつもテレビを見ているけれど私は静かな時間が欲しい。
家族、夫婦という関係が縛りになることもある。空間を共有することが決して良いわけではない。だけど一つの家。別居ではなく。
快適な住まいは風水で家と家族の気のバランスを取ることが追い風になるけれど、家族を一個人と考えての個室、空間造りは日々の仕事の中で必要だと感じている。
例えば「50代の一人一部屋秘密基地プラン」「女性に戻るためのシェルタープラン」のような。
幸せな家族像、夫婦像に追いかけられて家が重石になってしまう前に、風水とリフォームで改善できることを提案していきたい。
建築一筋だった父のDNAかな。家の仕事がうれしい。今日は風水リフォームの間取りプランを持ってお客さんと打ち合わせ。家に求めるものは皆さんそれぞれ。
— 土本晶子/風水師/川柳家/猫族 (@shogetsu3) 2017年8月26日
不思議なことに家に関する仕事をしている。風水という特殊な関わり方だけれども。風水だからできる「まだ」の部分、求められる仕事を。