【川柳】十年の時に落としてみる小石
人気女流川柳作家 赤松ますみさんが主宰されている柳社「川柳文学コロキュウム」に入会したのは2008年 今から15年前になります。
全国の会員さんが投句していた柳誌が今年4月の100号を最後に終刊すると連絡があり、とても残念に思っています。4月には「終刊のつどい」が開かれます。久しぶりに会員の皆さんとお目にかかれるのはうれしいですが、やはり寂しいですね。
私は司会の大役を仰せつかったのでありがたく引き受けましたが、緊張のあまりなにかしくじらないかとシンパイです。
振り返る時間が長くなって
15年前に始めた川柳 いったい何句あるのでしょう。手描きの「川柳ノート」は本棚の一段を占領しています。
私が主催の「リフレッシュ川柳の会」ではいつも「川柳は心のアルバムです」とお伝えしています。十七音で心を詠む短詩文芸は、写真やビデオよりもより鮮明にその句を詠んだ場面が蘇ってきます。
景色、音、声、匂いまでも。五感を総動員して詠む一句は自分だけのもの。その時の想いを詰め込んできました。
自分の川柳が増えるということは、それだけ生きてきた証拠 心を動かした証ですね。
たまには振り返ってその頃の自分に会いに行くのも・・なかなかいいもんです。
10年ひと昔 あの頃は・・
最近は写真アプリから「10年前の今日」みたいなメッセージがやってきます。ついつい見ませんか。
「うわ、はや!」といつもビックリするのですが、10年って3650日 食べて、寝て、働いて。
その中で笑ったり泣いたり喜んだり怒ったり想ったり嫉妬もしたなあ・・なんて思い返すのです。
今、手の中にある小石を10年の海に投げ込んだとしたらどんな音がするのでしょうか。
『十年の時に落としてみる小石』 桂 晶月
川柳文学コロキュウム 99号 カレイドスコープより